骨盤って・・・ゆがみますか?


骨盤矯正という言葉、巷にあふれてますよね。

当院でもよく問い合わせを頂きますが、私は長年この言葉に違和感を持っています。

矯正の本来の意味は欠点や悪習などを正常な状態に戻すことでありまして、骨盤矯正というと骨盤の形がゆがんでいるのでそれを戻すというようなイメージなのでしょうが・・・骨盤ってゆがみますか?

 

写真の様に骨盤は大きく寛骨仙骨で構成されており、寛骨の上1/2の腸骨と仙骨の結合部分を仙腸関節と呼びます。

この関節は2~30年前までは不動関節つまり動かないとされていたんですね。

実際いまだにそのような見解をお持ちの医師の先生方は多いですし、私が人体解剖の実習で勉強させていただいた折も腱や靭帯でガッチガチ、また「耳状面」と呼ばれる関節面はボコボコしていてとても動くとは思えませんでした。

私の友人で黒幕理論を展開されている高子大樹先生もハワイ大学での解剖実習の場で「これが動くと思うかね?」と問われたそうです。

 

しかし近年、竹井仁先生(首都大学東京 健康福祉学部 理学療法科 「MRIによる股関節屈曲運動の解析」など)らの研究によって股関節の運動に連動して仙腸関節が動く骨盤大腿リズムが確認されたのをはじめ、体幹の動きに対しても仙腸関節が連動することが解ってきています。

 

ただこの「仙腸関節」、AKAでよくターゲットにする関節で、諸説ありますが動く幅が1mm前後、回旋角度が2°までと極小さい範囲でしか動かないんですね。

なので関節面が滑りにくくなることで関節の位置感覚(固有感覚といいます)が鈍くなったり、先述のガッチガチの腱や靭帯がセンサーとして働くので周りの筋緊張や運動制限をもたらす「関節機能異常」が非常に起こりやすい関節というわけです。

これに加えて、最近SJFの理論では第5腰椎と仙骨の関節である「腰仙関節」も同様な問題を起こしやすいといわれております。

 

つまり「骨盤矯正」とは早い話が仙腸関節や腰仙関節の動きをいかにスムースにしてあげるかということであって、なにかが外れてるのを戻したり形を変えるような作業ではなく、ましてや骨盤がゆがんでいるという表現自体がナンセンスだとお分かりいただけると思います。

また1mmや2°の動きを出すのに乱暴な動きや強い力は必要ありません。

操作が不慣れな施術者がやりがちなのですが仙腸関節が動きすぎると逆にやっかいなことが起こります。

なにより大切なのが股関節や上位椎体など全体の連動性を高めることだと思います。

 

結局治療として大切なのは単一の技術よりもしっかりと評価してなにが原因なのかをみつけることなんですね。

ですから当院では「骨盤矯正」というメニューは設定せず「全体の一つ」としてアユカボディケアを選んでいただいてます。

やや難しい長文でしたが骨盤矯正について以前から思うところがありましたのでここで述べさせていただきました、最後までお読みいただいてありがとうございました。